パーティロジスティクスの各層
さまざまなPLがサプライチェーンに与える影響
「PL(パーティロジスティクス)」に関する議論が高まる中、各種PLの違いが分かりにくい場合もあります。 ロジスティクス業務の外部委託は日用消費財を扱う企業にとって不可欠です。 社内にロジスティクス部門を置くことはコスト効率面で優れているとはいえ、最も重要なビジネスに充てる時間や集中力を削いでしまうことになりかねません。 適切なパーティロジスティクスはサプライチェーンの簡素化、コスト削減、透明性等に関わる課題の克服につながります。 ここでは、酪農業者のジェイクを例に、さまざまなパーティ ロジスティクスがサプライチェーンにどのような影響をもたらすかを紹介します。
1PL(ファーストパーティ・ロジスティクス)
1PLでは、酪農業者はロジスティクスプロセス全体を管理し、製品を農場からエンドユーザーへ直接輸送します。 1PL は、組織内ですべて行われるソリューションのため、コスト効率に優れています。 しかし、これは同時に、ジェイクがロジスティクス部門全体に対応し、エンド・ツー・エンドのロジスティクスを行える専門知識や設備を有する必要があることを意味します。
2PL(セカンドパーティ・ロジスティクス)
2PLでは、ジェイクは製品の輸送を運送業者に委託します。 この段階では、運送業者が持つネットワークを活かしたスケールメリットを活用することができます。 ここでは、小口運送、鉄道、海上、トラック輸送等の各サービス事業者が、サプライチェーンの一部を担うことになります。
3PL(サードパーティ・ロジスティクス)
この段階では、ジェイクはロジスティクス業務の一部を外部の事業者に委託します。 3PL サービスプロバイダーはさらに、輸送にとどまらず、サプライチェーンのさまざまな部分を大規模に提供します。 3PL はブッキング、書類作成、倉庫業務、梱包といったサービスの手配に役立つサービスも提供します。 3PLの場合、ジェイクは酪農製品の梱包や、配達までの保管、そして輸送を委託することができます。
4PL(フォースパーティ・ロジスティクス)
4PLでは、ジェイクはサプライチェーン全体を簡素化することができます。 ロジスティクスプロセスを効率的に引き継ぐため、サービスプロバイダーと長期的な契約を交わします。 組織内でロジスティクス部門を設けたり、自前のトラックやロジスティクス能力を有する必要はなく、自由になった時間を顧客に向け、ビジネスに集中することが可能になります。 4PL事業者は、経験豊かなロジスティクスサービスチームを有し、エンド・ツー・エンドでサプライチェーンマネジメントを提供します。 4PLはさらに、2PLや3PLの企業の役割や機能の手配を顧客に代わって行います。
4PLの先へ
サプライチェーンの拡大化や複雑化に伴い、4PLサービスプロバイダーはテクノロジーや人工知能の導入により、プロセスの自動化や簡素化を進めています。 ITソリューションはサプライチェーンをリアルタイムで完全に可視化する、コントロールタワーのような役割を果たします。 さらに、サプライヤーのデータを統合し、在庫、輸送、能力を可視化します。
競争が激化し、市場が急速に変化する中、さまざまなサプライチェーンパートナーを管理するリードロジスティクスプロバイダーが必要です。 マースクの4PLサービスは、お客様のサプライチェーンに係る複雑な業務をすべて引き受けるため、コアビジネスにより集中して取り組んでいただけます。